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迎撃ドローンで浮上!自動車部品の「隠れ防衛株」に新たな成長余地

山本 悠斗  2026/08/25 18:30
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迎撃ドローンで浮上!自動車部品の「隠れ防衛株」に新たな成長余地

防衛関連株への物色が続くなか、これまで自動車部品株として見られてきた企業にも新たな注目材料が浮上している。防衛装備の国産化や無人機の配備拡大を背景に、完成兵器メーカーだけでなく、精密加工やモーター、制御技術などを持つ部品企業へ投資対象が広がり始めている。実際、2026年4月以降はTerra Drone(278A)、Liberaware(218A)、ACSL(6232)などドローン関連株への資金流入が目立ち、防衛分野におけるドローンの重要性が株式市場でも強く意識されている。

そのなかで「隠れ防衛株」として浮上するのがジェイテクト(6473)だ。同社はトヨタグループの中核企業として、ステアリング、ベアリング、駆動系部品などを手掛ける自動車部品大手。 一見すると防衛とは距離があるように見えるが、精密機械や電動・制御技術を蓄積してきたことから、次世代の無人機や防衛装備への技術展開余地が注目されている。

今回のポイントは、ジェイテクトが国産迎撃ドローンの開発に乗り出したベンチャーへの出資を行ったことだ。従来の自動車部品事業だけを見ると見えにくいが、精密機器メーカーとして培った技術を防衛・無人機分野へ広げることで、新しい事業領域を開拓する可能性がある。会社四季報オンラインでも、この動きを「防衛関連での物色テーマ」として取り上げており、自動車部品株に防衛という新たな投資テーマが加わった形だ。

防衛ドローン市場そのものも拡大余地が大きい。政府は防衛と経済の好循環を掲げ、無人航空機などの国内生産・技術基盤を強化する方向にある。防衛関連では三菱重工業(7011)、川崎重工業(7012)、IHI(7013)などの大型株が代表格だが、ドローンの普及が進めば、機体メーカーだけでなく、センサー、通信、電源、モーター、制御装置など周辺部品へ需要が波及する可能性が高い。

ここでジェイテクトの既存事業が効いてくる。自動車産業では電動化や自動運転の進展に伴い、モーター、制御、センサー、精密駆動部品などの高度化が進んでいる。こうした技術は用途こそ異なるものの、無人機やロボットなどの「動く機械」にも応用可能だ。防衛事業を一気に本業へ置き換えるというより、既存の技術資産を新市場へ展開する「デュアルユース」の視点で評価するのが適切だろう。

さらに、ジェイテクトは業績面でも変化が出ている。2027年3月期は売上収益1兆8800億円、事業利益900億円、営業利益750億円、親会社所有者帰属利益500億円を会社側が予想しており、営業利益は前期比で大幅増、最終利益は4倍超を見込む。2026年3月期の年間配当60円から、2027年3月期は70円へ増配予定である点も評価材料だ。

直近の第1四半期も売上収益4920億円、営業利益228億円、親会社帰属利益138億円と増収増益を確保しており、営業利益は前年同期比68.6%増、親会社帰属利益は112.5%増となった。自動車事業の改善が主因で、防衛関連の新事業がすぐに業績へ大きく寄与しているわけではないが、本業の回復に加えて新しい成長テーマを持ち始めた点は注目できる。

株価面でも、ジェイテクトには「防衛だけではない」魅力がある。8月21日時点の株価は2077.5円、会社予想年間配当70円で、予想配当利回りは3.37%。防衛専業の小型株とは異なり、自動車部品という巨大な既存市場を持ちながら、電動化やロボット、無人機といった新たな成長領域への展開余地を持つ。

防衛テーマだけを材料に過度な評価を与えるのは禁物だ。ジェイテクトの収益の中心はあくまで自動車部品であり、迎撃ドローン関連事業が短期間で業績の柱になるとは限らない。自動車生産台数、原材料価格、為替、海外事業の収益性など、本業側の変動要因も引き続き株価を左右する。また、欧州自動車事業の再編を進めていることから、事業ポートフォリオ改革の進捗も確認したい。

それでも、今回の動きが示す意味は小さくない。防衛産業の裾野が広がれば、これまで「自動車株」「機械株」「電子部品株」と分類されていた企業が、防衛・ドローン関連として再評価される可能性があるからだ。実際、日本はセンサー、精密加工、素材などの民生技術に強みがあり、これらを防衛分野へ転用するデュアルユース企業には中長期の成長余地があると指摘されている。

ジェイテクト(6473)は、「自動車部品×精密技術×防衛・ドローン」という新しい切り口で見直せる銘柄だ。本業の利益回復と増配を確認しながら、防衛関連事業が具体的な受注や量産へ進むかを追う展開となる。大型防衛株がすでに高値圏で評価されるなか、次の物色対象として「防衛技術を支える部品・機械メーカー」へ資金が向かえば、こうした隠れ関連株の存在感が一段と高まる可能性がある。


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